インターネット上でファイルを保存したり、他の人と共有したりできるサービスとして「アップローダー」があります。
アップローダーを利用すると、大容量ファイルのやり取りに便利な一方、使い方によってはリスクも伴います。
今回は、アップローダーの基本的な仕組みから、安全に利用するための注意点、VPNとの併用について詳しく解説していきます。


アップローダーの基本的な仕組み?
アップローダーとは、一般的にオンラインストレージサービスとも呼ばれ、インターネット上にファイルを保管し、共有できるサービスのことです。
主な機能としては、自分のファイルをネット上に安全に保存する「ファイルホスティング」や、保存したファイルを他の人と共有するためのリンクを作成する「ファイル共有」があります。
さらに、多くのサービスでは、保存されたファイルを「高速ダウンロード」する機能も提供しています。
身近な例としては、Google Driveやギガファイル便などが挙げられますが、海外にはRapidgator(ラピッドゲーター)やKatfile(キャットファイル)、Takefile(テイクファイル)など、多くの種類のアップローダーが存在します。
アップローダーサービスの無料と有料は何が違う?
多くのアップローダーサービスでは、無料で利用できるアカウントと、有料の「プレミアムアカウント」(通称:プレ垢)が用意されています。
無料アカウントは手軽に利用できますが、ダウンロード速度が遅かったり、一度にダウンロードできる容量に制限があったりといった制約が多いです。
一方、プレミアムアカウントに登録すると、これらの制限が解除され、より快適にサービスを利用できるようになります。
無料アカウント
無料アカウントで利用する場合、いくつかの不便な点があります。
たとえば、ファイルをダウンロードしようとしても、数分から時には数十分の待ち時間が必要になることがあります。
また、一日にダウンロードできるデータ量(帯域幅)が数ギガバイト程度に制限されていることが多く、大きなファイルをいくつか落とすとすぐに上限に達してしまうかもしれません。
さらに、複数のファイルを同時にダウンロードすることはできず、一つずつ順番にダウンロードする必要があったり、ダウンロードページに多くの広告が表示されたりします。
加えて、アップロードされているファイルの中には、プレミアムアカウントでなければダウンロードできないように設定されているものもあります。
プレミアムアカウント
プレミアムアカウントに登録すると、上記のような制限がなくなり、非常に快適にサービスを利用できます。
主なメリットとしては、まずダウンロード速度が大幅に向上し、お使いのインターネット回線の速度に近いスピードでファイルをダウンロードできる可能性があります。
待ち時間や、画像認証(キャプチャ)などの手間も不要になり、クリックすればすぐにダウンロードが始まります。
一日あたりのダウンロード量制限もなくなり、購入したプランの総容量(たとえば$1$TBプランなら$1$TBまで)の範囲内であれば、好きなだけファイルをダウンロード可能です。
広告表示もなくなり、すっきりした画面で操作できます。
プレミアム限定ファイルへのアクセスも可能になります。
主なアップローダーサービスは?
人気の海外アップローダーとして挙げられるのが「Rapidgator(ラピッドゲーター)」です。
Rapidgatorの特徴は、利用したい「日数」と、期間内にダウンロードできる総容量である「帯域幅」を組み合わせてプランを選べます。
たとえば、「30日間で$1$TBまで」や「180日間で$6$TBまで」といった形です。
他のアップローダーでは1日のダウンロード上限が決まっていることが多いのに対し、Rapidgatorは購入した帯域幅を使い切るまで1日のダウンロード量に制限がないため、まとめて大量のファイルをダウンロードしたい場合に便利です。
Rapidgator以外にも、世界には多くのアップローダーが存在します。
たとえば、老舗でファイル数が豊富とされるuploaded.netやTakefile、ダウンロード速度に定評のあるサービス、あるいは比較的安価な料金プランを提供しているkatfileなど、それぞれに強みがあります。
どのアップローダーが最適かは、ファイルの種類や量、利用頻度などによって異なります。
また、「プレミアムリンクジェネレーター(PLG)」と呼ばれる、複数のアップローダーのプレミアム機能を低価格で利用できるサービスも存在します。
しかし、近年は各アップローダーがPLG対策を強化しており、ダウンロードが不安定になるケースが増えています。
そのため、安定した利用を求めるのであれば、利用したいアップローダーの公式サイトから直接プレミアムアカウントを購入するか、信頼できるリセラーを利用するのが確実でしょう。
アップロードする際の注意点は?【著作権、セキュリティなど】
アップローダーサービス自体は、ファイルを保存・共有するためのプラットフォームであり、合法的なツールです。
しかし、その使い方によっては法的な問題やセキュリティ上のリスクが生じる可能性があります。
著作権の問題
最も注意すべき点は、著作権の問題です。
著作権で保護されている映画や音楽、ソフトウェアなどを権利者に無断でアップロードしたり、違法にアップロードされたと知りながらダウンロードしたりする行為は、著作権法に違反します。
アップローダーには多種多様なファイルが存在するため、ダウンロードしようとしているファイルが合法的なものか、常に意識する必要があります。
ファイル名だけでは内容が判断できず、意図せずに違法なファイルをダウンロードしてしまう可能性も否定できません。
セキュリティの問題
セキュリティリスクにも注意が必要です。
悪意のある第三者が、ファイルの中にウイルスやマルウェアを仕込んでいる場合があります。
ファイルを開くまで中身が分からないため、ダウンロードしたファイルを実行することで、お使いのコンピューターがウイルスに感染したり、個人情報が盗まれたりする危険性があります。
特に海外のサイトは、日本に比べてハッカーが多いとも言われており、より一層の注意が求められます。
さらに、アップローダーサイトを装った詐欺サイトも存在します。
安易に個人情報を入力したり、不明なリンクをクリックしたりしないようにしましょう。
これらのリスクを避けるためには、サービスの利用規約をよく読み、遵守することが大前提です。
加えて、信頼性の低いと思われるファイルのダウンロードは避け、セキュリティソフトを常に最新の状態に保つなどの対策も重要になります。
アップローダーを使うならVPNの併用がおすすめ
アップローダーをより安全に利用するためには、VPN(Virtual Private Network)の併用が強く推奨されます。
VPNとは、インターネット上に仮想的な専用線を構築し、通信内容を暗号化する技術です。
VPNを利用するメリット
VPNを利用する最大のメリットは、匿名性の向上とセキュリティの強化です。
VPNサーバーを経由してインターネットに接続することで、ユーザーのIPアドレス(インターネット上の住所のようなもの)が隠され、代わりにVPNサーバーのIPアドレスが相手先のサイトに記録されます。
これにより、ユーザーがどのサイトにアクセスし、何をダウンロードしたかといった情報を、第三者(契約しているプロバイダーやサイト運営者など)から特定されにくくします。
もしVPNを使わずにアップローダーを利用すると、ユーザーの接続情報はプロバイダーに記録され、場合によっては捜査機関からの要請に応じて開示される可能性もゼロではありません。
また、意図せず違法なファイルをダウンロードしてしまった場合のリスクを低減するためにも、VPNによる匿名化は有効な対策となります。
さらに、通信が暗号化されるため、公共のWi-Fiなどを利用する際の盗聴リスクも軽減できます。
VPNサービスを選ぶ際は、「ノーログポリシー」を掲げているサービスを選ぶことが重要です。
ノーログポリシーとは、利用者の通信記録(ログ)を保存しないという方針のことで、より高い匿名性が期待できます。
中でも世界的に利用されている「ExpressVPN」や「NordVPN」は、ノーログポリシーを明記しており、高い匿名性を担保できるVPNとしておすすめです。

VPNを利用する際の注意点
VPN利用時にはいくつか注意点もあります。
稀に、VPNを利用しているとアップローダーサイト側からアクセスがブロックされることがあります。
これはVPNを利用する際のIPアドレスがサービス側から弾かれてしまうためです。
また、VPN接続が予期せず切断されると匿名性を担保するのが難しくなります。
その場合は「キルスイッチ」機能(VPN接続が切れると自動的にインターネット接続を遮断する機能)を有効にしておくことがおすすめです。
キルスイッチを使うことで、常にVPNを接続した状態で利用できるので、通信の安全性を保つことが可能となります。
また、安全性をさらに高めるためには、アップローダーのアカウント作成時に、普段使っているメールアドレスではなく、匿名性の高いメールサービス(例:ProtonMail)を利用するのがおすすめです。
また、プレミアムアカウントの支払い時に、クレジットカード情報を直接入力する代わりに、バーチャルプリペイドカードを利用することも有効な手段となるでしょう。
FAQ:よくある質問
VPNを使うのは違法ですか?
いいえ、ほとんどの国ではVPNの利用は合法です。
VPNはプライバシー保護やセキュリティ強化のために、個人だけでなく多くの企業でも利用されています。
ただし、ロシアや中国、北朝鮮など一部の国ではVPNの利用が法律で規制または制限されている場合がありますので、滞在国の法律を確認することをおすすめします。
VPNを使うとインターネットの速度は遅くなりますか?
通信が暗号化され、海外のサーバーを経由するため、理論上は多少の速度低下が起こる可能性があります。
しかし、大手VPNサービスはサーバー数が多く、通信速度に定評があるため、多くの場合、動画視聴などでストレスを感じるほどの遅延は発生しにくいです。
実際に試した結果でも、動画視聴に必要なダウンロード速度は大きく変わらず、映像が途切れることなくスムーズに見られたケースがほとんどです。
無料のVPNではダメですか?
無料VPNも存在しますが、有料VPNに比べて通信速度が遅い、接続が不安定、データ通信量に制限がある、などのデメリットが多く見られます。
また、セキュリティ面での懸念(個人情報の記録や漏洩リスク、マルウェア感染リスクなど)も指摘されています。
安全かつ快適に利用するためには、信頼できる有料VPNサービスの利用を強くおすすめします。
VPNには他にもメリットはありますか?
個人でVPNを利用する主なメリットは、以下のとおりです。
- フリーWi-Fi利用時のセキュリティを守れる
- 海外から日本のサービスにアクセスできる
- 日本から海外限定のサービスにアクセスできる
- 航空券やホテルを安く予約できる
- YouTube PremiumやNetflixなどのサブスクサービスを安く利用できる
もっと詳しく:VPNを個人利用するメリットは?
まとめ
アップローダーは、大容量ファイルを扱ったり、他の人とファイルを共有したりする際に非常に便利なオンラインストレージサービスです。
しかし、その利便性の裏には、著作権侵害やウイルス感染、個人情報流出といったリスクも潜んでいることに注意しましょう。
より高い匿名性とセキュリティを確保するためには、VPNの併用が効果的です。
信頼できるノーログポリシーのVPNサービスを選び、常時接続やキルスイッチ機能を活用することで、万が一の際のリスクを大幅に低減できるでしょう。
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