インターネットの世界には、ダークウェブという裏の世界が存在しています。
ダークウェブは、表のインターネットからは隠れたWebサイトで構成されているので、通常のブラウザでは閲覧できません。
今回は、ダークウェブの基本的な知識と、入り方について解説していきます。
なお、安全にダークウェブを利用したいなら、「ExpressVPN」や「PIA VPN」のような世界的に利用されているVPNの併用をおすすめします。
- ExpressVPN:高速通信でアプリの操作性に優れた世界最大手のVPN
>>今だけ2年プランで+6ヶ月無料プレゼント(12/6まで) - PIA VPN:安価に使えるのが魅力のVPN
- NordVPN:価格・使い勝手のバランスがとれた大手VPN
▼動画でも解説しています▼
ダークウェブとは?【特殊なネットワークでアクセスできるWebサイト】
ダークウェブとは、個別のWebサイトを認識するIPアドレスを必要とせず、専用のツールを使用しないとアクセスできない特殊なWebサイトです。
インターネット上には3種類のWebがあり、以下のように分類されます。
- サーフェスウェブ(Surface Web)
- ディープウェブ(Deep Web)
- ダークウェブ(Dark Web)
私たちが普段使っているインターネットはIPアドレスを使って接続先と接続元を認識しています。
しかし、ダークウェブはIPアドレス不要でサーバーにアクセスできます。
さらに通信内容はすべて暗号化されているため、お互いに情報を知られることもありません。
3つのウェブをさらに詳しく見ていきましょう。
サーフェスウェブ(Surface Web)
大手検索エンジンに紐づいており、インターネット上で誰でも簡単にアクセスできるWebサイトです。
ディープウェブ(Deep Web)
大手検索エンジンに紐づいておらず、限られた人しかアクセスできないWebサイトです。
非公開に設定されているSNSアカウントもこれに該当します。
ダークウェブ(Dark Web)
インターネット上で特殊なネットワークと技術を使用してアクセスできるWebサイトです。
専用のツールを使用し、IPアドレス不要で通信内容はすべて暗号化されているため、完全匿名で情報交換ができます。
ダークウェブには何がある?【SNSやニュースサイトもある】
ダークウェブには、次のようなものがあります。
- ダークウェブ上にあるサイトを検索できる検索エンジン
- SNSや電子メールサービス
- ソーシャルメディア
- ニュースサイト
- 内部告発サイト
- 仮想通貨サービス
- ダークマーケット
- 科学論文の無料共有
中には違法な取引が行われていることもあります。
上記の「ダークマーケット」などの例をみてわかるように、ダークウェブを使用するのは、匿名でやり取りをしたい情報があるからです。
ダークウェブでは、以下のようなことが可能となります。
検閲を回避、匿名でのインターネットへのアクセス | 言論の自由が統制されている国では、インターネットのアクセスに制限があり、特に海外メディアやニュースサイトはその対象とされています。海外の大手メディアは、このような国の人たちに向けてダークウェブ上でもニュースを配信しています。 |
匿名による情報提供 | 匿名で自身の情報を守りながらメディアなどに情報を提供できる仕組みです。CIAなど公的機関や報道メディアだけでなく、活動家も情報交換に利用しています。 |
不正行為や違法な商品の売買 | ダークウェブ上のショップサイトで、違法な商品が売買されています。中には摘発されたショップもあります。 |
このようにダークウェブを利用することで、匿名性を担保しながらさまざまな情報を得られるのです。
最近では、2024年6月にサイバー攻撃を受けたKADOKAWAに関連する内部情報が、ダークウェブで公開された事例があります。
TorとVPNを併用するメリットは、匿名性をより強固にできること
TorとVPNを併用するメリットは、匿名性を堅牢にして第三者による個人の特定を極めて困難にできることです。
実際にこのメリットを得るために、Torを利用する際にVPNを併用する人は少なくありません。
all about COOKIEの調査では、VPN利用者のうち17%がダークウェブにアクセスする目的でVPNを使っていることがわかっています。
TorとVPNの併用により匿名性が堅牢になる仕組みは、以下2つです。
- IPアドレスを二重で保護できる
- ISPによるTor利用の検出を防げる
それぞれ詳細を解説していきます。
IPアドレスを二重で保護できる
TorとVPNを併用すると、IPアドレスを二重で保護できます。
Torを使用すると、トラフィックは複数のノード(リレー)を経由し、最終的には出口ノードからインターネットにアクセスします。
この過程で、元のIPアドレスは隠されますが、出口ノードではトラフィックが復号化されます。
そのため、出口ノードを管理している第三者がトラフィックを観察することで、利用者の行動を特定されるリスクがあるのです。
VPNを使用することで、トラフィックがVPNサーバーを経由し、その後Torネットワークに入るので、出口ノードでも利用者の元のIPアドレスは隠されたままにできます。
ISPによるTor利用の検出を防げる
TorとVPNを併用することで、ISP(インタネットサービスプロバイダー)によるTor利用の検出を防げます。
ISPは、ユーザーがTorネットワークに接続していることを検出することが可能です。
そうすると、プライバシーの懸念が生じます。
しかし、VPNを使用すると、ISPはユーザーがTorに接続しているのではなく、VPNサーバーに接続していることしか確認できません。
これにより、ユーザーはTorの使用を隠せるのです。
ダークウェブの入り方【TorブラウザとVPNの設定方法】
TorブラウザとVPNを使用したダークウェブの入り方について手順をご紹介します。
- STEP1:Torをダウンロードする
- STEP2:VPNアプリをダウンロードする
- STEP3:VPNサーバーに接続する
- STEP4:Torを使ってダークウェブにアクセスする
STEP1:Torをダウンロードする
Tor(トーア)は「U.S. Naval Research Laboratory(アメリカ海軍調査研究所、NRL)」が匿名での通信を実現するために開発したネットワークです。
言論の自由のない国から「匿名性を維持したまま」インターネットへ接続できるサービスとして現在も発展しています。
このTorネットワークを通じてアクセスできるWebサイトが「ダークウェブ」であす。
Torネットワーク内にある限り、通常のブラウザからはアクセスできず、大手検索エンジンからだとたどり着けません。
そのため、専用のブラウザのダウンロードが必要です。
Windows PCで設定する場合
Tor公式サイト(https://www.torproject.org/download/) からブラウザをダウンロードします。
次にダウンロードしたインストーラを実行し、言語を選択しますて、インストール先を任意の場所に指定して、「インストール」ボタンを押します。
このときにインストール先にすでにデータが存在する場合は警告メッセージが表示されますが「はい」を選択して問題ありません。
インストールが開始され、完了画面が表示されたら「Tor Browserを実行」にチェックを入れ、「完了」を選択します。
iPhoneで設定する場合
Apple Storeで「Onion Browser」と検索します。
「インストール」をタップして、完了したら「開く」をタップします。
Androidで設定する場合
Android版のセットアップは、iPhone版とほぼ同じです。
グーグルストアで「Tor Browser」と検索して、「インストール」をタップし、完了したら「開く」をタップします。
画面下部の「接続」ボタンをタップして、画面が切り替わったら、画面下部にある「今すぐ開始」をタップします。
その後、「ブラウジングを開始」をタップすれば、準備は完了です。
STEP2:VPNアプリをダウンロードする
VPN契約サイトへアクセスして、料金プランや支払い方法などを入力し、アプリをダウンロードします。
ここでは世界最大手のExpressVPNを例にしています。
ExpressVPNのトップページから「お試しでVPNをはじめる」をクリックします。
その後、料金プラン・支払い方法・決済情報などを入力し、画面の指示にしたがってアプリをダウンロードします。【登録は10分以内に完了します】
申込みプロセスや使い方の詳細は、「ExpressVPNの申込方法・使い方の詳細手順」をご覧ください。
STEP3:VPNサーバーに接続する
VPNのアプリを開いてログインして、好きなサーバーに接続します。
サーバーまでの物理的な距離が国ほど通信速度が早く、遠い国ほど通信速度が遅いのが一般的です。
VPNサーバーにアクセスすると、IPアドレスはそのVPNサーバーのもの(国や場所)になります。
STEP4:Torを使ってダークウェブにアクセスする
VPNに接続したまま、「Tor Browser(または Onion Browser)」に接続します。
Windowsの場合は、ブラウザが開いたら「接続」ボタンを押します。
接続が完了すると、以下のように検索画面が出てきます。
スマートフォンの場合は、ブラウザを開いたら「Torに接続」を選択します。
ボタンを押すとTorの接続が開始され、完了するとブラウザウィンドウが表示されます。
FAQ:よくある質問
ダークウェブやVPNに関連する質問を掲載しました。
ダークウェブのサイト集・一覧のようなものはありますか?
ダークウェブサイトの代表例は、以下のとおりです。
- DuckDuckGo:サーフェスウェブでも利用できる、ダークウェブ検索エンジンです。個人情報を収集・共有しないため、オンラインの匿名性を高めたい場合に最適です。(https://duckduckgogg42xjoc72x3sjasowoarfbgcmvfimaftt6twagswzczad.onion/)
- Ahmia:ダークウェブ検索エンジンです。Torネットワークに関する統計、考察、ニュースを表示する機能もあります。(http://juhanurmihxlp77nkq76byazcldy2hlmovfu2epvl5ankdibsot4csyd.onion/)
- The Hidden Wiki:ウィキペディアのダークウェブバージョンです。ダークウェブ上のさまざまなウェブサイトへリンクが繋がっています。(http://zqktlwiuavvvqqt4ybvgvi7tyo4hjl5xgfuvpdf6otjiycgwqbym2qad.onion/wiki/)
- ニューヨーク・タイムズ:アメリカの有名な新聞社のサイトです。ダークウェブバージョンもあり、匿名で閲覧ができます。(https://www.nytimesn7cgmftshazwhfgzm37qxb44r64ytbb2dj3x62d2lljsciiyd.onion/)
- BBC:イギリスの代表的な情報機関です。一部の国ではアクセスが制限されていますが、ダークウェブに国際版のコピーが作成されたことで制限なく閲覧ができます。(https://www.bbcnewsd73hkzno2ini43t4gblxvycyac5aw4gnv7t2rccijh7745uqd.onion/)
- Facebook:実際のFacebookのミラーサイトです。ダークウェブでアカウントを作成することで、完全に匿名性を保持できるため、政府の検閲も回避できます。(https://www.facebookwkhpilnemxj7asaniu7vnjjbiltxjqhye3mhbshg7kx5tfyd.onion/)
- OnionWallet:暗号通貨とビットコインの資産運用サイトです。匿名で登録でき、資産を暗号化して安全に保護できます。(http://zwf5i7hiwmffq2bl7euedg6y5ydzze3ljiyrjmm7o42vhe7ni56fm7qd.onion/)
- Hidden Wallet:ディープウェブで最も人気のある匿名資産運用サイトです。ビットコインを安全に保管できます。(http://d46a7ehxj6d6f2cf4hi3b424uzywno24c7qtnvdvwsah5qpogewoeqid.onion/)
- ProtonMail:スイスの暗号化された電子メールサービスです。ログを残さず、アカウントを作成する際に個人情報の提供も必要ありません。(https://protonmailrmez3lotccipshtkleegetolb73fuirgj7r4o4vfu7ozyd.onion/)
- Hidden Answers:ダークウェブバージョンの質問サイトです。検閲なしで好きな質問ができます。(http://7eoz4h2nvw4zlr7gvlbutinqqpm546f5egswax54az6lt2u7e3t6d7yd.onion)
ダークウェブで買えるものは何ですか?
ダークウェブでは買えないものを探す方がむずかしいと言われています。
合法的なものもありますが、中には違法なものが売買されることもあり、クレジットカード情報やパスポート・運転免許証なども商品です。
ダークウェブを見て酷い目にあったと聞きますが本当ですか?
ダークウェブで酷い目にあった例として、以下のの3つのパターンが挙げられます。
- 未知のコンピューターウイルスの感染
- 違法な商品の売買
- 流出した個人情報の公開
どれもセキュリティソフトを弱く設定したままダークウェブを閲覧してしまったことが原因です。
未知のコンピューターウイルスに感染、個人ではハードウェアの初期化やOSの再インストールをせざるを得なくなる場合があります。
また、法人・企業ではデータを復旧させるために金銭などを要求されたりという被害が過去に起こっています。
酷い目に合わないためには、データを守るセキュリティをしっかり行うことが重要です。
アンチウィルスソフトやTorブラウザ、VPNを正しく設定して、信頼できないサイトの閲覧はやめたり、怪しい商品は購入しないことが大切です。
もっと詳しく:ダークウェブを見たら酷い目にあった?
ダークウェブを見るだけなら問題ないですか?
見るだけで危険な目にあうことはありません。
ただし、上記のとおりセキュリティの確保とプライバシーの保護には気をつけましょう。
ダークウェブの利用で最も危険な場面は、違法な物やコンテンツを取引です。
Torブラウザのほかにダークウェブに入る方法はありますか?
Torとは別のインターネット「I2P」や「Freenet」を利用する方法があります。
I2PはTorブラウザより設定が複雑ですが、特定のサイトしか閲覧できません。
しかし、より高速で、サイバー攻撃を受けにくい特徴があります。
Freenetは設定は簡単ですが、Freenetにアップされているコンテンツしか閲覧できません。
TorブラウザとVPNの違いは何ですか?
Torブラウザはダークウェブを閲覧するためのブラウザのことです。
一方でVPNは、専用仮想線を通じてWebサイトにアクセスするためのものです。
VPNはダークウェブ閲覧時だけでなく、セキュリティやプライバシーを確保しながらサーフェスウェブを見るときにも利用できます。
ダークウェブに入るにはVPNを併用すべきですか?
ダークウェブに入る際にVPNの利用は必須ではありません。
しかし、Torブラウザはセキュリティが脆弱なため、自身の個人情報を守るためにVPNを利用したほうがよいでしょう。
VPNに接続することで、データが暗号化されて、IPアドレスやアクセス元を変更できます。
そのため万が一第三者に個人情報を知られた際のリスクを減らすことができるのです。個人情報を守るためにVPNを利用しましょう。
無料VPNでも問題ありませんか?
無料VPNは有料に比べると安全面に問題があります。
無料VPNを利用してIPアドレスが漏洩した例もあるため、有料VPNを利用しましょう。
まとめ
以上、ダークウェブの入り方について、解説しました。
ダークウェブは、Torブラウザがあれば誰でもアクセス可能ですが、セキュリティとプライバシー保護のレベルを高めるために、VPNの利用をおすすめします。
Torと併用して使うVPNには、世界最大手のVPNサービスである「ExpressVPN」の利用をおすすめします。
ExpressVPN以外のVPNから選びたい方は、安全性の高いおすすめVPNもあわせてご覧ください。
- ExpressVPN:高速通信でアプリの操作性に優れた世界最大手のVPN
>>今だけ2年プランで+6ヶ月無料プレゼント(12/6まで) - PIA VPN:安価に使えるのが魅力のVPN
- NordVPN:価格・使い勝手のバランスがとれた大手VPN