検閲の厳しい中国では、使えるメールサービスの種類も限定的です。
たとえば中国ではGmailが使えないことが有名です。
この記事では、中国で使えるメールアドレスや、中国でもGmailを利用する裏技などを紹介していきます。
中国で使えるメールアドレスは?
中国では「グレート・ファイアウォール」というインターネット検閲システムが使われています。
グレート・ファイアウォールは、中国政府への批判的な意見を監視し削除をする目的のほか、外資ではなく自国の通信産業を発展させる目的に導入されました。
この検閲システムの影響で、インターネットへの規制が非常に厳しく、日本も含む海外のウェブサービスやSNSの閲覧や利用はほとんどできません。
その中国において、使えるメールアドレスは以下のとおりです。
- Outlookメール
- Yahoo!メールアドレス
- 中国のフリーメール
Outlookメール
Outlookを含めたMicrosoft系のサービスは、中国でも全般的に使用できます。
現在Outlookメールでは、「outlook.jp」「outlook.com」「hotmail.com」の3種類の中からドメインが選べます。
Microsoftで以前提供されていた「msn.com」「live.com」も使用可能です。
Yahoo!メール
Yahoo!メールはYahoo!が提供しているフリーのメールアドレスです。
「yahoo.co.jp」「ymail.ne.jp」の2種類のドメインがあります。
Yahoo!検索エンジンは中国で規制されており使用できませんが、Yahoo!メールは使用できます。
中国のフリーメール【一覧】
中国で使われているフリーメールとして、「QQメール(qq.com)」「163メール(163.com)」「126メール」「新浪メール」「搜狐メール」などが挙げられます。
中国のフリーメールサービスを一覧にすると、以下のようになります。
メールサービス | 提供元 | メール形式 | 特徴 |
---|---|---|---|
QQメール | テンセント | ********@qq.com | QQアカウントを作成すると自動で作られるメールサービス |
163メール | NetEase | ********@163.com | NetEaseが提供するメールサービス |
126メール | NetEase | ********@126.com | 163メールと関連性が高く、相互通信が可能なメールサービス |
新浪メール | 新浪(シナ) | ********@sina.com | @sina.comと@sina.cnが使える無料メールサービス(通常は@sina.com) |
搜狐メール | 搜狐(ソーフー) | ********@sohu.com | 無料メール、VIPメール、企業メールなどを提供するメールサービス |
特にqq.comと163.comはよく使われています。
qq.comとは、中国の大手IT企業「テンセント」が運営するメールサービスです。
163.comとは、NetEaseが提供するメールサービスです。
Gmailは使えない!【その理由は?】
中国では検閲システムにより、Gmailは利用できません。
Gmailだけでなく、Googleのサービス全般が利用できないのです。
Googleサービスが利用できないのには、検閲システム以外の理由があります。
2009年に中国政府に批判的な活動家のGoogleアカウントに対して、中国国内からサイバー攻撃を受ける事件が起こりました。
その事件をきっかけとして、2010年にGoogleは中国の検索サービスから撤退し、今ではサービス全般が利用できなくなっているのです。
こうした経緯から、Googleサービスの一部であるGmailも、中国の通常のインターネット環境では利用できないようになっています。
中国でGmailを使う方法
中国でGmailを使う代表的な方法として、以下2つの方法が挙げられます。
- VPNを利用する
- 日本の携帯でデータローミングする
VPNを利用する
中国でのネット検閲を手軽に回避してGmailを使いたいなら、VPNの利用が最もおすすめです。
VPNとはVirtual Private Networkの略で、インターネット上の仮想の専用線のことです。
VPNサービスを使うと、専用サーバーを経由してインターネットにアクセスできるようになり、中国の検閲を回避してChatGPTにアクセスできます。
VPNには無料のものもありますが、安全性や安定性を考えると有料VPNをおすすめします。
中国はVPNサービス自体も検閲の対象にしているので、昨日まで使えていたVPNサービスが今日になって突然使えなくなることもあるからです。
有料のVPNサービスは、この検閲対策もしっかりしています。
- 接続拠点が複数の国に分散しているので、どれかがダメになっても全部ダメになることがない。
- 検閲状況に応じて、新しい拠点にサーバーを作って、利用者が全く接続できない状況を回避している。
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無料お試し・返金保証期間 | 14日間 |
サーバー台数 | 非公開 |
サーバー設置国 | 31カ国 |
日本語対応 | なし 英語のみ |
同時接続台数 | 6台(同じサーバーへの同時接続は不可) |
中国でvpnサービスを使うときに、重要となるのが中国当局の規制に対する素早い対応です。
中国滞在者がVPNなしでもログインできる専用URLを設けていることからも、中国への対応の素晴らしさがわかります。(多くのVPNサービスは、中国以外からだと公式ページにアクセスできません)
当サイトでは12vpnを10年以上使っていますが、中国からの接続に問題が起こると、以下の対応をしてくれます。
- 対処法を示したメールが来る
- サーバーの場所を変えて、良好な接続環境を維持する
- ログインURL窓口を変えて、中国からでもサイトにログインできるようにしてくれる
問い合わせに対するレスポンスも素晴らしく、たいてい1営業日中に何らかの返信を受け取れます。
そして、同時接続台数も6台あるので、家族とも共有できるのもGOODです。
唯一のデメリットは、設定もサポートも英語しか対応できないことです。
ただし、使われるのはシンプルな英語だけなので、Google Chromeの翻訳機能や、機械翻訳DeepLなどを駆使すれば、このデメリットは十分にカバーできるでしょう。
メリット | デメリット |
---|---|
中国での取り締まりに対する対応が早い サポートの対応がよい 中国専用リンクで、中国から申し込みできる 接続台数が6台と多い Google Chromeだと拡張機能から簡単に操作できる | サポートが英語のみの対応になっている |
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またアプリの起動から接続まで30秒~60秒ほどかかるVPNが一般的な中、ExpressVPNはわずか10秒ほどで起動から接続までを完了できるので、毎日の利用でもストレスがありません。
サーバー設置国、サーバー数も世界トップクラスなので、さまざまな用途で活用可能です。
中国の通信規制にも柔軟に対応していて、中国から接続する際にも安定感のあるVPNとして定評があります。
メリット | デメリット |
---|---|
通信速度と安定性が優れている アプリの動作が早くて使いやすい ノーログポリシーを採用している サーバー設置国のバリエーションが豊か ビットコインでの支払いに対応している 中国からでも利用できる | 価格が他のサービスに比べるとやや高い |
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MillenVPNは、日本の企業が提供している純日本製のVPNプロバイダです。
日本企業が運営するVPNは多数ありますが、サーバー設置国、サーバー数ともに日本のVPNの中ではトップクラスです。
契約・規約、操作マニュアルやサポートなど、すべて日本語での対応となっている日本人にとっても安心できます。
中国からの接続は、「OpenConnect」での接続が推奨されています。
初期設定がやや面倒で、接続のたびにパスワード入力を必要としますが、中国からの接続が安定しているのは大きなメリットです。
メリット | デメリット |
---|---|
日本製の主要VPNサービスの中で最安値使える サーバー数が多い 日本語対応が充実している サービス改善を要望しやすい ノーログポリシーを採用している MillenVPN Nativeが優秀 中国からもアクセス可能 | サーバー数が海外大手VPNに比べて劣る 通信速度が海外大手VPNに比べてやや遅い |
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日本の携帯でデータローミングする
日本の通信キャリアで契約した携帯のローミング機能を利用することで、Gmailを利用することも可能です。
ローミング機能を使うと日本の通信会社を経由するので、中国でのネット検閲を回避できるからです。
au、ドコモ、ソフトバンクともに定額パケット放題で海外ローミングできるサービスはありますが、価格の高さがデメリットにはなります。
- au:980円/日 (世界データ定額・事前予約なしの場合) au公式ページ
- ドコモ:980円/日 (24時間プランの場合) ドコモ公式ページ
- ソフトバンク:1,980円/日(10MBまで) ソフトバク公式ページ
そこでおすすめしたいのが、通常プラン・追加料金なしで海外でもそのまま利用できるNTTドコモの格安サービスahamo(アハモ)です。
ahamoは月々の利用料2,700円(税抜)。
ahamoの基本プランでは、5分間までの通話は何回でも無料、データ容量は30GBまで使えますが、この30GBまでのデータ容量が海外のローミングにも追加料金なしで適用されるのです。(出典:https://ahamo.com/news/fhqhpm0000000bsx.html)
実際に中国の各都市でahamoのローミング機能を数日間利用しましたが、快適なネット環境の中で過ごせました。
もっと詳しく:【実体験】中国でahamo(アハモ)を使ってみた
中国によく出張するビジネスパーソンにとっては、格安プランで携帯料金を節約できて、かつ海外でも追加料金なしで使えるahamoに乗り換えてしまえば、一石二鳥ということになります。
「ちょうど携帯を買い換える予定だった」
「今使っているキャリアの契約期間が切れるところだった」
このような人には、Wi-FiルーターやSIMカードも必要なくなるahamoがおすすめです。
ドコモユーザーなら、身分証明書とクレジットカードがあれば、今すぐahamoに切り替えられます。
他社から乗り換える場合は、dアカウントとMNP予約番号を取得する必要があるものの、MNP予約番号はお使いのキャリアのショップで簡単に取得できます。
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FAQ:よくある質問
中国でGmailを使う際によくある質問です。
中国で使えないアプリはGoogle以外にありますか?
多数あります。
当サイトで調べた中国で使えるアプリと使えないアプリは、以下のとおりです。
カテゴリー | 中国で使えない | 中国で使える |
---|---|---|
SNS・メッセージアプリ | Line、Facebook、Instagram、X(Twitter)、WhatsAPP、Messenger、Telegram、BeReal | 携帯電話のショートメッセージ |
検索エンジン | Google、Yahoo検索 | Bing |
メールアプリ | Gmail | Yahooメール、Outlook |
動画サイト・VODサービス | YouTube、Vimeo、ニコニコ動画、中国国外のVODサービス全般(Netflix、TVer等) | – |
ニュースサイト | BBC、ニューヨーク・タイムズ、ロイター | Yahoo |
コミュニケーションツール | Google Meet | ZOOM、Teams、Skype、WebEx、Slack、Chatwork、Trello |
クラウドストレージ | Google Drive、Dropbox、Box | One Drive、icloud |
ショッピング | Amazon Japan、メルカリ、ラクマ、楽天市場、Yahooショッピング | – |
その他 | Wikipedia、ChatGPT | – |
※中国のネット検閲の状況は日々変化をするので、利用可否の状況が変わっている場合があります。
中国でのVPN利用は違法ですか?
中国ではVPNの利用を厳しく制限しているものの、利用自体を違法とまでは言い切っていません。
中国でのVPN利用に関する違法性については、中国でのVPN利用は違法?をご覧ください。
中国にGmailやOutlookでメールを送っても届きますか?
GmailやOutlookで送ったメールであっても、中国には問題なく届けられます。
中国国外から中国国内にメールを送る場合は、どのようなメールサービスを使っても問題ありません。
メール以外におすすめの連絡手段は?
最もよく使われているのが中国版のLineであるWeChatです。
LineはGmailと同様に、VPNなどを利用しないと中国国内では使えませんが、WeChatであれば中国国内であっても問題なく利用可能です。
WeChatは中国とビジネスをする日本人の利用者も多く、Lineと同じようにメッセージ送信・音声通話、ビデオ通話などができます。
GmailやWeChat以外に、日本で主流のサービスに対して、中国人が主に使っているサービスは以下のとおりです。
日本では? | 中国では? |
---|---|
Google検索 | Baidu検索 |
Google Map | Baidu Map |
Google Meet | VooVやDingTalk |
YouTube | Youku |
X(Twitter) |
まとめ
中国で使えるメールアドレスについて解説しました。
- Outlookメール
- Yahoo!メールアドレス
- 中国のEメールサービス
Gmailは中国では使えませんが、VPNの利用や携帯のデータローミングの利用によって、中国でもGmailを利用できるようになります。